うんちをするおじさん

クリスマスが近づくと、キリスト生誕シーンが、教会、市庁舎をはじめ、家庭でも飾れます。
フランスの「サントン」と呼ばれる土人形が大好きで、11月末くらいからあちこちで市が立つので、
それを目当てにあちこちで出かけたことがありました。

バルセロナにいた時には、ベレン(生誕シーン)を見に、教会をはしごしました。
その名もベレン(ベツレヘム)教会は特に見ごたえがありましたし、市庁舎前には実物大の人形が置かれたり、
ある年には、羊たちが駆り出されて、広場に羊がたくさんいて、ビックリしたこともありました。



バルセロナでは、パン屋さんのウインドウにも、ベレン。右はマカオの教会のベレン。幼子は25日過ぎてから置かれる。

その聖なるシーンの中に、なんと!「うんちをするおじさん」がいるのです。
「カガネ」と呼ばれるこのおじさんが、必ずちょっとわかりにくいところに紛れ込んでいるので、
子供ばかりでなく、大人もこれを探すのがちょっとしたお楽しみです。
我が家の古いカガネも普段は隠れているのですが、写真撮影のため目立つところへ登ってもらいました。


カガネはキリスト教以前の習俗に由来する存在なのですが、こうしてしっかりとクリスマス行事の中に生き残っています。
彼がカタルーニャ帽をかぶっていることからもわかるように、カタルーニャ地方の古い習俗のひとつ
「カガ、ティオ!(うんち(豊穣・富)しろ!おじさん)」と言って、棒でたたかれる 「薪のおじさん」
ベレンに紛れ込ませるために擬人化させた結果が、このカガネという人物だと思われます。


なんと天使や尼さんのカガネまであるのです。

この一見、とんでもない人物が、生誕シーンの登場人物たちにまぎれ込むことで、
カタルーニャ人にとって、祝うべきものが、キリスト教の行事と一体化したのではないでしょうか?
生誕人形に負けじとカタルーニャの人たちが造りだした、古来の豊穣予祝儀礼を体現する、おかしすぎる人物です。
その想像力とユーモアに脱帽です。



もう20年近く風雨にさらされながらもがんばっています。右は92年頃のクリスマスに見かけたうんちのお菓子。入れ物もおまる!?

クリスマスの薪については、「木こりのおじさん」のページもご覧ください。
また、この「うんちをするおじさん」は、フランス南部や、フランドルの菓子文化にも見受けられるので、興味はつきません。

バルセロナvinonという店のカガネのディスプレイ。あ、靴の上に・・・。


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2010.3