縁起菓子

ヒトガタパン「ヴェックマン」と「クランプース」
上のヒトガタパンは今年の夏に行われた、舟田詠子先生の講演会のテーマであり、
その時に参加者がいただいた2つのパンです。
左は甲府のヴァルトさん製のドイツの「ヴェックマン」。これはオリーブオイルを使った軽い生地でつくっていらっしゃいますが、
本来はバターを使う、ブリオッシュタイプのリッチな生地でつくられているそうです。
右は松戸のツォップさん製のオーストリアの「クランプース」。成型の仕方を舟田先生が伝えて、再現されたそうです。
ブリオッシュタイプの生地で、リボンを使って、紅い舌もついています。
新しい年を迎える時、やってくる春や新しい年が、再び稔りの多いものであるよう
おまじいの意味を込めた特別なパンをつくる時に、このようなヒトガタパンも表れるそうです。
クランプースには白樺の小枝を持たせるとお聞きしたので、白樺のかわりに私がローズマリーの枝を挿してみました。
舟田先生は、パンに託された人々の願いや思いについて、いつも大変興味深いお話をしてくださいます。
そのたびに、国や民族・宗教には関係なく、人間が何を願うのかは、世界中同じであると思わされます。
そのやり方や、表れ方が違うだけなのだと気づくのです。
お話を聞きながら、私が興味を持っている日本の民俗行事にあらわれる餅、団子のこと、
たとえば、小正月の餅花・まゆだまなどのことを、何よりもよく理解できるのです。
普段ライ麦を主に食べている人たちが、一年のかわり目に小麦の白いパンを特別な形につくることは、
普段粟や稗を食べていた昔の日本人が、白い餅や団子を枝にたわわにつける気持ちと同じなのだと思います。
ですから、豊穣の力を秘めた森を象徴する白樺の枝を持つ「クランプースKrampus」は、
田の神(=山の神)、そして作の神にみえてくる私です。
「ヴェックマン」に関しては、舟田先生の著書『誰も知らないクリスマス』に「白パン坊主」として書かれていますし、
「クランプース」をつくるアルプスの村の祭に現れる、麦藁のヒト「シャーブ」については、
下記のサイト「舟田詠子のパンの世界へ」の中の「フィールド日記」でも読むことができます。
舟田詠子先生の新刊 『パン 人生の一部』 が、今年の9月にドイツで出版されました。
「30年におよぶアルプスの村でのフールドワークから生れたエッセンス」という素晴らしい本です。
「舟田詠子のパンの世界へ」というサイトでご覧ください。

オランダの聖マルチン祭の切手です。11月11日、ランタンを持った子供たちが町を歩きます。
「ベックマン」はドイツ(一部地域)での、聖マルチン祭のパンです。