縁起菓子

辻占総本社 河内瓢箪山稲荷神社の瓢箪辻占「福笹」

とても珍しい縁起物を紹介いたします。
瓢箪型の餅種(最中の皮)の中から、小さな辻占(つじうら)御籤が出てきます。
『大吉 思い事かなふ』などと書かれていたりします。
辻占が気になっていた私がこの「福笹」に出会った時は鳥肌ものでした。


宮司様によると、餅種は「餅花」といい、正月の餅花のように本来は生笹につけられていたそうです。
また、餅種は五行に基ずき、「木」は緑、「火」は赤、「土」は黄、「金」は白、「水」は紫の5色であるとか。

河内の瓢箪山稲荷神社は6世紀頃の瓢箪型の古墳の上にある神社で
江戸、明治と大流行した「辻占」の総本社です。
今もここで本来の「辻占」を行っていることは驚きでした。
それはまず、境内で籤場で籤(1〜3の数字のみ)をひき、出た数字を覚えて指定の占場(うらば)に立ちます。
「3」をひいたならば3番目の通行人の姿態、年齢、持ち物、言葉、連れの有無などを観て
社務所に行き、詳しく報告すると、数百年来宮司家に伝えられている
独特の霊示により判断していただけるというものです。

「辻」は漢字ではなく、国字だそうです。「辻」は古来日本人にとっては非日常の場であり、
奈良平安の頃より村はずれの「辻」に立って、すれ違う人の言葉を神示とする俗信がありました。
通る人の姿も定かでない夕方から明け方の時刻に耳をかたむけたことから
「夕占(ゆうけ)」と呼ばれ、この言葉は万葉集の中にも詠まれています。
時代がくだり、江戸時代の北斎によるの辻占図も興味深いです。

下の写真の「やきぬき」「おみくじ」「あぶりだし」の3枚入り『辻占』は
驚きの楽しさです。最近は一の宮クラスの神社でも業者御籤だったりするので
そんな中で、このお御籤はユニークきわまりないと思うのです。

『いとおかし』的観点から付け加えると、この神社では、節分に紅白の餅まきが行われ、
夏祭りには「いなり餅」の授与があるそうです。
山畑阿智彦宮司によれば、この地が餅に縁があるのは、ヤマトタケルの白鳥神話によるものだそうで
死後、白鳥となったヤマトタケルが最後に餅と化した(また、その逆に
餅を的に弓を射たら白鳥になった)という謂れがあるからだそうです。
ヤマトタケルの墓所が、命を落とした鈴鹿、途中立ち寄った大和、白鳥となって至った河内、
合わせて3箇所にあるとのことで、菓子好きの私はこの話をもっと知りたいと思いました。

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2001.7