縁起菓子

鎌倉のぼたもち祭り

9月の鎌倉には、菓子とつながりのある行事があります。
まずは、9月12日のぼたもち寺(常栄寺)のぼたもち祭りについて。

鎌倉時代には、まだ新興宗教であった日蓮宗。権力を恐れない日蓮は時の権力者からみれば、
けむたい存在であたため、たびたび迫害がおこりました。
文永8年(1271)に、ついに捕らえられ、龍の口の刑場へ引かれていくという日蓮聖人に
ひとりの尼が、胡麻をまぶした餅を釜蓋にのせて差し出したそうです。
ぼたもちとも、ごまをまぶした握り飯とも言われています。
ところが、刑場において秘蹟が起こり、日蓮聖人はこの難を逃れました。
そのため、人々はこの尼のぼたもちを「頸つぎのぼた餅」と呼んで語り継いできたそうです。



法要当日にはぼたもちの接待もあり、午後からは池上本門寺からの万灯も奉納されます。
後年、池上にて上人ご入滅の時、季節はずれの桜が咲いたといわれ、万灯には桜の花がつきものだそうです。

実は「ぼたもち寺」と呼ばれる寺は二つあります。
「桟敷の尼」とよばれたその尼の桟敷(源頼朝の時代に由比ガ浜を眺望するためにあった)近くの寺が常栄寺で、
龍の口の刑場跡に近い法源寺も、尼の実家の菩提寺だったことから、「ぼたもち寺」と呼ばれています。
以前はこちらでもぼたもちの接待があったそうですが、今はされていないとのこと。
また、この2つの寺とは別に、刑場跡に建つ龍口寺でも、同日「ぼたもち撒き」があります。





もうひとつの菓子とつながりのある行事は、9月18日の御霊神社の面掛行列です。
異形の面をつけた10人の面掛衆とお神輿などの行列が、練り歩きます。
おかめの大きなおなかをさわると、安産のご利益があるとされ、見物客も入り混じって
ゆっくりと進む行列が御霊神社まで続きます。



権五郎景政を祀る御霊神社の参道の入り口に「力餅屋」があります。
武勇と怪力の持ち主だった権五郎景政に因んだという「力餅」を、その命日に当たる祭礼の日にいただきました。
ぼたもちと同じく、こしのある搗き餅ですのですぐ固くなります。だからおいしい!
その昔は、街道の茶屋の名物「力餅」として峠越えの人たちに力をつけたことでしょう。


力餅屋の前を行列が往復。力餅屋ののれんの向こうに一番人気のおかめ。お腹をさすると、安産のご利益もあるとか。


ユニークな面をとてもよく型におこしてあると思いませんか?掛け紙も素敵です。


老舗といっても肩の張らない店構え。参道の入口には篠竹を括り付けた祭礼の柱が立てられていました。


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2006.10 2011.4修正