縁起菓子

やしょうま・やせうま・涅槃だんご
お釈迦さまの誕生を祝う4月8日の「花まつり」(仏生会、灌仏会)というともっぱら甘茶で、 私の小さい頃の記憶はこちらの方ばかりだったのですが、 長野県の隣、私の出身地新潟県にも、これによく似た「やせうま」が佐渡などにあります。 また、涅槃会にお寺でまかれる「涅槃だんご」も印象深い縁起菓子です。 この団子は色とりどりで、やはり棒状につくってから輪切りにするというのが本来のようですが、お寺により様々で、 ところで、「やせうま」という言葉は何を意味するのでしょう? 参考図書:「日本の菓子」亀井千歩子著 東京書籍 上の写真のやしょうまは須坂市のコモリ餅店の製品です。
この日誕生仏に甘茶を注ぎにお寺などに出かけるのは楽しいものです。
お釈迦さまの入滅の「涅槃会」には、しんこの団子をまくことも聞いていました。
涅槃会が近づき、和菓子が縁で知り合った長野の方より、写真の「やしょうま」が届きました。
「朝生」にこだわりのあるお餅屋さん特製の涅槃会の「やしょうま」です。
石臼で挽いたうるち米の粉(上新粉)を蒸し、石の臼と木の杵で搗きあげた、
保存料も品質保持剤も酵素も入っていない、食紅以外完全無添加の手造りの品だそうです。
胡麻入りと、のり入りしんこ餅で、豆餅のように塩味のあるおいしいものでした。
長野ではこの時期スーパーなどでも売られるようです。昔から家でつくって食べたのでしょね。
会津と接する只見地方には少し早い初午の日に大豆入りの「やせうま」をつくるので、
きっと会津地方でもつくられているのではないか?と思っています。
今でも新潟のあちこちのお寺では、旧暦の3月15日にだんごまきが行われてるようです。


左は堀の内町のお寺のだんご。直径1cm未満。右は長岡のお寺のだんご。大きくても直径1.5cm、輪切りでおはじき状。
動物(干支)をかたどった、しんこ細工の「ちんころ」に似たものをまくところもあります。
長野、新潟の涅槃会についてかわら版vol.3でさらに追ってみました。どうぞご覧ください。
江戸時代、餅屋の看板がわりに「アラウマシ」の意で木馬やしんこ馬が使われていたことや、
しんこ製の白糸餅が細くねじれている形のため「やせうま」と呼ばれていたことなどが
亀井千歩子さんの本に書かれているのがとても興味深いのですが、
それがどのようにして、雪国の涅槃会の行事菓子とつながっているのやら?
いずれにせよ、雪に閉じ込められるこの時期に、五穀豊穣や魔よけの祈りを
新米の粉でつくったしんこに込めて、可愛らしく、手間を惜しまずに工夫してつくられ、まかれ、
食べられてきたようです。
「やせうま」が「やしょうま」となったのでは?と思いますが、
長野にはさらに白糸餅のようにねじれていないのですが、しん粉細工の「ネジ」があります。
しんこ製の菓子と「ねじる」「よる」(寄水などのしんこ菓子)には何か関係がありそうです。
金沢、能登など他の北陸地域にも涅槃会のだんごまきがあり、
京都の「花供僧」(はなくそ)などというあられも涅槃会の供え菓子です。
大分の「やせうま」は名前が同じだけの別物ですが、その他ご存知の方はどうぞお聞かせください。
コモリ餅店のHPからその他の餅菓子の写真なども見れます。

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