

「おけそく」と「はっちょうがみ」
お正月の鏡餅と、その下に敷く紙について気になることがいろいろあります。
誰もがよく知っているものなのに、呼び名がわからなかったりします。

一番上の写真2点は左が長岡、左が小千谷で売られていた鏡餅の下に敷く紙。
すぐ上は十日町の小さい鏡餅用の紙。いずれも新潟県のものです。
長岡ではこの白い紙を「はっちょうがみ」と言いますが、小千谷では松飾り用の切紙をそう呼ぶとか。
十日町では「おかざりがみ」などと呼ぶようですが、どこでも呼び名は何通りもあるようで、
それがかえって呼称不明な状況に拍車をかけてます。
長岡でも「三宝紙」「もちがみ」「はかまがみ」など用いる箇所による名前もあったり・・・。
下に赤い紙をつけるものは、図案がはっきりわかり、めでたさもありますが、長岡では昔はありませんでした。
私は子供の頃から「はっちょうがみ」という呼び名に一番慣れ親しんでいます。
そして、鏡餅は「おけそく」と呼びます。これが新潟でも中越地区だけだということに
最近気がつきました。きっかけは京都で「おけそくさん」と呼ばれる小餅に出会った時でした。
それ以来、「おけそく」は「おみごく」と並んで気になる言葉になりました。
この「おけそく」は三方にのせる大きなものと、玄関や台所、お風呂や、
特にお世話になる部屋などに飾る小さな「おけそく」があります。
この小さな、京都の「おけそくさん」のそっくりさんには長細い白い紙(切紙でない)を敷いて供えます。


この切紙を研究している亀倉加久子さんという方と「まゆだま」がご縁で知り合いました。
私はまゆだまを気にして新潟をあちこち訪ねるうち、この紙の多種多様なことにも気づき始めたところでした。
越後堀の内町の「キリサゲ」(写真上2点とも。左はおけそくの図案)に出会い、
「はっちょうがみ」しか知らなかった私にとって、この紙が強烈な印象となって心に残ったためでした。
亀倉さんが中心になってまとめられた「祈りのかたち」には、宮城県の神社庁の協力で、神社製の「キリコ」が網羅されています。

分水町(現在燕市)でみつけた「キリサゲ」。

上の切り紙は金沢でいただいたものです。絵柄が素敵ですね。
金沢ではこの紙を敷いた上に、さらに「中折れ」と呼ぶ和紙をたたんだものを敷き、
その上に鏡餅を置くようです。
ただ一概にこの地域ではこうであると言えないところが複雑で、面白くもあります。
研究者泣かせですよね、きっと。
その他ご存知の方はどうぞお知らせください。
参考図書:「祈りのかたち 宮城の正月飾り」 宮城の正月飾り刊行会編 日貿出版社

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