神農さんの豆神虎

大坂の道修(どしょう)町にある少彦名神社。
私が少彦名命について興味があることを知る友人が、お土産に「豆神虎乃御守」を買って来てくださいました。
神農さんの虎といえば、「祈願家内安全無病息災」と書かれた赤い札とともに笹にさがった張子の虎が有名で、
11月22日、23日の少彦名神社「神農祭」に、授与されます。

文政の頃流行した疫病に対して、虎の頭骨などの和漢薬を調合した丸薬「虎頭殺鬼雄黄圓」が道修町でつくられました。
その丸薬にちなんでつくられた張子の虎も、疫病除けとして神前で祈祷され、丸薬とともに授与されるようになったそうです。
この張子の虎にそっくりの土製の豆神虎も、病除けにご利益ありそうで、また、なんとも味わいがあります。

道修町は、日本海を行き来した北前船とも関連が深く、北海道の昆布はここへ持ち込まれました。
そして、薬として中国国内での風土病に効いたため、沖縄を経由して輸出されたのです。
もちろん、その帰りの船には漢方薬が各種積まれていたことでしょう。
道修町は環日本海交易の中継地の1つともなりました。昆布ロードともいわれた、このルートを
昆布や米を積んで日本海を南下した船が、今度は砂糖などを積んで北上しました。
日本海側の菓子文化も、こういう背景とよい米があることで、発展したのだと思います。
富山の薬売りも昆布、砂糖とは切り離せません。そして、道修町でも活躍したようです。

少彦名命は「宝船」の由来にもかかわり、粟嶋信仰、さらに「雛」(ひいな)のルーツとも言われますが、
医学、医薬の神様でもあるため、中国の神農さんとも習合して
薬の町、道修町では薬種問屋の守り神として、祭られるようになったとのこと。
実は北前船の交易圏である越後長岡でも、医術に関わる家では、正月に神農講をしていました。


豆神虎は体長約3.5cm。フランスのカンペール陶器の絵柄を包み紙に配したキャラメルバーよりも小さいんです。


同じく少彦名命を祀る、新潟県五泉市の粟嶋神社は五穀豊穣の神様とされています。
また、東京上野の五條天神社では、節分に「うけら」を焚き、薬草との関わりをうかがえます。
新潟の天神さまの日に、線香花火で町が煙るという話は、五條天神のうけらの神事と重なる気がするのは、私だけでしょうか?



虎つながりで、小さな虎虎焼(ことらやき)(伊勢の虎屋ういろ製)は愛らしさ満点!


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2009.8