縁起菓子

東京のやしょうま

東京にも涅槃会のやしょうまがあるのです。

美しく飾られた花御堂に立つ誕生仏に甘茶をかけて、お祝いをする潅仏会が好きで、
去年の花まつりには、江戸時代に餅花と粟餅で有名だった目黒不動界隈を歩きました。
古い山門をくぐり、大きな桜が美しい安養院を訪ねると、甘茶のご接待がありました。
そして、涅槃仏がご本尊のこのお寺では、「涅槃会にやしょうまを撒く」とお聞きして
本当にびっくりししてしまいました。それからほぼ1年、今年の涅槃会に伺うことができました。



ご本尊の枕元には、切る前のなまこ状のやしょうまが3色供えられます。
私たちにも、この日涅槃会の法要の後、切り分けられ、3つづつ紙に包まれた
やしょうまを分けていただけるのです。
暖かい野菜のたっぷり入ったお汁もいただいて、やしょうまをさっそく堂内で焼いて食べる方も。
奥様のお人柄もあり、いろいろお話も聞かせていただき、心に残る涅槃会でした。


やしょうまを包む前。冬の日差しがカーテンごしに入り、やしょうまが美しく感じられます。
白と、黒(ごまがたっぷり)と、緑(青のりがたっぷり)の3色。ずっと前からの決まりごと。

長野のやしょうましか知らなかったのですが、もしかしたらまだどこかに
涅槃会のやしょうまをひっそりつくっていらっしゃるところがあるかもしれません。
私も比較的近いところに20年近くも住んでいながら、気がつかなかったくらいですから。

安養院のご本尊は木喰僧の長音上人(1601〜1677)のお作とのこと、
佐渡や信州にもご縁の深い方とお聞きしました。
江戸時代より涅槃会の法要をする寺として、安養院もあげられていますが(「東都歳事記」など)、
江戸の頃には、猫を描くので有名な明兆の涅槃図もあったとか?すると、これも長野と似ています。

江戸古地図を見ると、目黒不動と向かい合って、広い敷地を持つ安養院。
「江戸名所図会」にも寝釈迦堂として境内の様子も描かれています。
長い歴史のあるお寺ですが、空襲の被害もあって詳しいことはわからないとのこと。
ですが、やしょうまをちゃんと昔通り、お寺で手作りされていることが、とても大切なことと思うのです。


詳しくは安養院のホームページへどうぞ。

長野の涅槃会のやしょうまなどについては「やしょうま・やせうま・涅槃だんご」
新潟の涅槃会については「涅槃会のだんごまき」をご覧ください。
かわら版には「お釈迦さまのおだんご」談義もあります。

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2008.3