
金平糖のような「ゆか里」そして「ここのへ」
新潟の人には、懐かしい、または古臭い? 私にとっては、おばあちゃんの「ゆかり」です。
おばあちゃんの茶箱の中には、湯呑みや茶たくに紛れてこの「ゆかり」の袋が入っていました。
子どもの頃に、おばあちゃんと飲んだ記憶があります。
食べる人もいるようですが、我家ではあくまで飲みものでした。
子どもにとっては、もの足りないような菓子だったので、長い間忘れていました。
ところが、改めてこの菓子を見ると、その繊細さに驚かされると同時に、
「ゆかり」が浮き上がってくるのを見ているうち、茶の間での思い出が蘇ってきました。
まるで、プルーストの「マドレーヌ」です。

黄色2種の柚子味が新潟の「ゆかり」。紫の葡萄味が会津の「ここのへ」。
うちでは、もっぱら湯呑みでしたが、コップでもグラスでもいいのでしょう。
適量入れて、熱湯を注ぐと、かすかな音をたてながら、「ゆかり」が浮き上がってきます。
私の記憶の中には黄色(柚子風味)しかありませんが、今は抹茶や紫蘇風味もあるようです。
今回二軒のものを手にいれてきました。新発田の長尾本店は、「養生糖」でも有名ですが、
新潟市の明治屋ゆかり店(大きめな方)というお店のゆかりも、その袋に見覚えがあります。
「ゆかり」は極小のあられ(かるやき種)に砂糖蜜をかけた、「掛けもの」です。
見た目は金平糖ですが、芯はあられなので、はかなく、香りを楽しむお菓子です。
このようなお菓子が、どこの家にもあって、普段の楽しみだったことに、ちょっと感動して、
越後の菓子文化の深さを本当はわかっていなかっただろう、と「ゆかり」に言われたような思いでした。
お隣の会津には、「ここのへ」という菓子があるのを最近知りました。
「ここのへ」はちょっと由緒正しい感じで、りっぱな袋に入っています。
新潟では日常に定着したお菓子ですが、会津ではちょっとよそゆきです。
会津の方に、昔はいただいたりする上等なお菓子だったとお聞きしました。なるほど。
会津塩川にある「奈良屋」さんは会津若松から出た道が、越後(会津)街道と米沢街道に別れ、
米沢街道のほうへ入ってまもなくの街道沿いに、風情あるお店を構えています。
仙台の「九重」はこちらから製法を伝授され、一度廃絶しながらも、現在はりっぱなお店のようです。
今となっては、「九重」が一番有名かもしれませんね。
お湯のかわりにお酒で、「ゆかり」入りホットワインや、焼酎のお湯割りなどもできそうです。
今回「ここのへ」は柚子味が買えなくて、葡萄味でした。シャンパンに数粒いれてみるのも素敵かも。
手作りショコラにアラザンといっしょにのせてもいいかな。

会津塩川の「ここのへ」は角が消えてしまっているので、金平糖には見えませんね。
ポルトガルとイランの金平糖と較べても、小さい「ゆかりと「ここのへ」です。
また、福井の「菜花糖」も少し大きめとはいえ、同じタイプのお菓子と思われます。

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